ETFレバレッジトークンは本質的にファンドです。そのため、取引の仕組みは現物取引に似ていますが、GateでETFトークンを購入する際、実際に売買しているのは暗号資産の現物そのものではなく、対応するETFのファンド持分です。
つまり、ユーザーがETFを売買するときの価格も、暗号資産の現物価格ではなく、そのETF商品の純資産価値となります。
例:BTC3Lの場合
わかりやすくするために、たとえば1 USDTでBTC3Lを300枚購入したとします。
このとき、あなたは300 USDT相当のBTC3Lを保有していることになります。
ただし、これは300 USDT分のBTC現物を保有しているわけではなく、BTC3LというETF商品のファンド口数(シェア)を持っているということです。
同様に、1 USDTという価格はBTCの現物価格ではなく、BTC3L ETFの1口あたりの純資産価値(NAV)です。
純資産価値(NAV)の計算方法
NAV(Net Asset Value:純資産価値)は、ファンドの実際の価値を反映する基準値であり、ユーザーが保有しているETFの1口あたりの価値を示します。
これはユーザーがETFを売買する際の理論価格でもあります。
ETFのレバレッジ倍率によってNAVの計算方式は以下のようになります:
ETFのNAV = 前回リバランス時のNAV × {1 + 対象通貨の騰落率 × 目標レバレッジ倍率}
※ リバランスが行われるたびに、NAVの基準値も更新されます。
NAVの計算例:
たとえば、0時のリバランス時点でNAVが1 USDTであれば、それがその日の基準値となります。
このNAVは、対象通貨の価格変動に応じて変化します。
そして仮にNAVが0.7 USDTになった時点で臨時リバランスが発動された場合、以後のNAV計算は:
0.7 × {1 + 対象通貨の騰落率 × レバレッジ倍率}
「前回リバランス時のNAV」とは?
これは前回のリバランス時点でのNAVを指します。
リバランスは以下の場合に発動されます:
- 実際のレバレッジ倍率が目標の3倍を超えたとき
- 対象資産の価格が前回リバランス時点から±20%以上変動したとき
- 上記が発生しない場合、毎日UTC+8の午前0時に定期的にリバランスが行われます
市場価格との違い
ETFレバレッジトークンの市場価格は、ユーザーが実際に取引所で売買する価格を指します。
これは基本的にNAVに連動していますが、供給と需要の影響で若干のプレミアムやディスカウント(割引)が生じる可能性があります。
たとえば、BTC3LのNAVが1 USDTのとき、市場価格は1.01 USDTまたは0.99 USDTのように多少上下することがあります。
Gateでは常に最新のNAVと市場価格の両方を表示しており、ユーザーは取引時にNAVと大きく乖離していないかを確認することが推奨されます。
大きく乖離した価格で取引すると、理論上損失が生じる可能性があります。
NAVの分割・併合(スプリット/リバーススプリット)
ユーザーの取引体験を向上させるため、Gateでは必要に応じてNAVの分割または併合を実施します。
これは以下のような目的で行われます:
- 取引の参加ハードルを下げる
- NAV価格の変動をより敏感に反映させる
- ETFトークンの表示と体験を最適化するため
なお、この分割・併合は価格と枚数の表示形式に影響するのみで、ユーザーが保有する総価値には一切影響しません。
NAV分割・併合の具体例:
- 一部ETFトークンのNAVが一定の下限値を下回った場合:
→ NAV価格がN倍に変更され、保有口数は1/Nに減少(NAVの併合) - 一部ETFトークンのNAVが一定の上限値を超えた場合:
→ NAV価格が1/Nに変更され、保有口数はN倍に増加(NAVの分割)
分割・併合の実施時には、Gateが公式に通知を行います。
注記(取引時の注意点):
- 市場の急変動により、NAVに対してプレミアム(割高)状態になることがあります。
- そのため、ユーザーは注文を出す際にNAVとの価格乖離が大きくないかを確認するようにしましょう。
- 大きな乖離がある場合、不要な損失を被る可能性があります。
例え話:
たとえば、あなたが1元札を1,000枚(=1,000元)持っているとします。
銀行がそれをわかりやすくするために、1枚の1,000元札に両替したとしても、資産の総額は変わりません。
ETFのNAV分割・併合も同様で、「枚数と単価」は変わりますが、「総資産」はまったく変わらない、ということです。